着物の加工に欠かせない、解き端縫い(ときはぬい)

ずいぶんと温かくなってきました。
この前まで暖房を入れていたのに、今日は窓を開けて、
気持ちよい風が入ってくるのを感じながら仕事をしています😀

さて、今日は解き端縫い(ときはぬい)のご説明です。

呉服屋さんの衣桁にかけてある、留袖・振袖・訪問着等の柄がつながっている着物は、
仮絵羽(かりえば)という、仮縫い仕立て状態です。

この着物を検品後、仮縫いの糸を解いて着物をほどきます。

続いて、着物から反物に戻す作業ですが、
1本針・1本糸の特殊なロックミシンで、つなぎ合わせていきますと、
あら不思議、反物に早変わりします😮

古くなった着物を水で洗う、洗張(あらいはり)という作業の時も、
同様に解き端縫いして、反物に戻してから洗います。
古い着物の場合、縫い糸がきしんで、なかなか解けません。
解きの作業だけで、3時間以上かかります・・・時には6時間くらいかかることも・・・😭

はい、話は戻りますが、

このロックミシン、なぜ1本糸か?
せっかく縫い合わせて反物に戻したわけですが、
湯のしや撥水加工、洗い張り、染め替えなどの工程の後、ほどいて再度バラバラにします。
今度は仕立して、着物の形に戻すからなんですね。

この、反物の糸をほどく工程のときに、2本糸・3本糸のミシンだと、
これまた時間がかかってしまうわけですが、
1本糸のロックミシンなら、するすると、気持ちよいくらいに簡単にほどけます。
そのための1本糸ロックミシン!😄
多分、初めて見た方は感動ものだと思います😲

ただ、世界中探しても、1本糸のロックミシンは日本の着物業界でしか使われておりません・・・
しかも、はるか昔に製造中止・・・
この子たちも30年以上、メンテを続けながら、活躍しています。
とても大事なミシンのおかげで、今日も解きは縫いができています。

加工担当 U.N

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